英語の There is / There are:「ある・いる」の表し方
There is / There are
この記事は、Settemila Lingueの英語文法ツリーの一部です。
まず押さえること
英語で「何かがある・誰かがいる」と初めて話題に出すときは、There is + 一つのもの・数えられないもの、There are + 二つ以上のものを使います。例えば、There is a book on the table. は「テーブルの上に本が一冊あります」です。質問するときは Is there ...? / Are there ...?、否定するときは There isn't ... / There aren't ... にします。
この表現でできること
旅行先でトイレの有無を尋ねる、部屋の設備を紹介する、冷蔵庫に何が残っているか伝える。こうした場面で役立つのが There is / There are です。A1で学ぶ基本表現ですが、物の存在だけでなく、「問題がある」「選択肢が二つある」「明日は会議がある」のような内容にも使えます。
日本語では、人や動物なら「いる」、物なら「ある」と言い分けます。英語のこの表現では、その区別はしません。There is a cat outside. は「外に猫がいます」、There is a bicycle outside. は「外に自転車があります」です。生き物かどうかではなく、後ろに続くものの数や数え方を見て形を選びます。
また、日本語の「駅はどこですか」と「近くに駅はありますか」は、英語でも別の組み立て方になります。前者は、すでに話題になっている駅の場所を尋ねる文です。後者は、まず駅が存在するかどうかを尋ねる文です。There is / There are は、主にこの「まず、あるかどうかを伝える」働きをします。
文の作り方と基本ルール
肯定文:何があるかを伝える
肯定文とは、「ある・いる」と、そのまま事実を述べる文です。基本の語順は There + is / are + 何があるか + 場所などです。
名詞(人・物・ことの名前を表す語)には、単数形(一つを表す形)と複数形(二つ以上を表す形)があります。また、英語では水や情報などを、そのままでは一個、二個と数えない名詞として扱います。
| 後ろに続くもの | 英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| 一つのもの | There is a chair by the window. | 窓のそばに椅子が一脚あります。 |
| 二つ以上のもの | There are two chairs by the window. | 窓のそばに椅子が二脚あります。 |
| 数えられないもの | There is some water in the bottle. | ボトルに水が少し入っています。 |
日本語では「椅子があります」だけでは一脚か何脚か分からないことがありますが、英語では多くの場合、その違いを形に出します。a chair なら is、chairs なら are です。
一つのものを初めて話題に出す場合は、普通 a / an を付けます。これは冠詞(名詞の前に置いて、そのものの捉え方を示す短い語)の一種です。a book は「一冊の本」、an umbrella は「一本の傘」のように考えるとよいでしょう。an は、続く語の発音が母音で始まるときに使います。
- There is an umbrella by the door. — ドアのそばに傘が一本あります。
- There are three umbrellas by the door. — ドアのそばに傘が三本あります。
場所を表す部分は必須ではありません。There is a problem. は「問題があります」で、それだけで文として成り立ちます。There are two options. は「選択肢は二つあります」です。
数えられないものは is
不可算名詞とは、英語で、そのまま一個、二個と数えない名詞のことです。水、牛乳、時間、情報などがこれに当たります。量が多くても、基本的に is を使います。
- There is some milk in the fridge. — 冷蔵庫に牛乳があります。
- There is a lot of information on this website. — このウェブサイトにはたくさんの情報があります。
日本語の感覚だけで「たくさんあるから are」とは判断できません。information は、情報が多くてもこの意味では数えられない名詞です。
ただし、容器や単位を付ければ数えられます。次の文では、牛乳そのものではなく、ボトルを数えています。
- There is a bottle of milk in the fridge. — 冷蔵庫に牛乳が一本あります。
- There are two bottles of milk in the fridge. — 冷蔵庫に牛乳が二本あります。
形を決めるのは milk ではなく、数の中心となる bottle / bottles です。
否定文:「ない・いない」と言う
否定文(「ない」と打ち消す文)は、is / are の後ろに not を置きます。is not は isn't、are not は aren't と短くできます。
| 種類 | 英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| 一つのもの | There isn't a lift in this building. | この建物にはエレベーターがありません。 |
| 複数のもの | There aren't any clean cups. | きれいなカップが一つもありません。 |
| 数えられないもの | There isn't any milk. | 牛乳がありません。 |
any は、否定文で複数のものや数えられないものについて「少しもない」と言うときによく使います。一つのものについては、まず There isn't a ... を覚えましょう。
no + 名詞でも「一つもない・少しもない」を表せます。この場合、not は重ねません。
- There are no seats available. — 空いている席はありません。
- There is no time. — 時間がありません。
There aren't any seats available. も同じ状況で使えます。no を使うと、文脈や言い方によって「全くない」ときっぱり伝わりますが、必ず強い感情を伴うわけではありません。
疑問文:「ありますか・いますか」と尋ねる
疑問文(質問する文)では、is / are を there の前へ移すだけです。do / does は加えません。
| 尋ねるもの | 英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| 一つのもの | Is there a bathroom? | トイレはありますか。 |
| 複数のもの | Are there any shops nearby? | 近くにお店はありますか。 |
| 数えられないもの | Is there any hot water? | お湯は出ますか。 |
any は、質問で「何かあるか・少しでもあるか」を中立的に尋ねるときにもよく使います。一方、some は肯定文でよく使います。
- There are some eggs in the fridge. — 冷蔵庫に卵がいくつかあります。
- Are there any eggs in the fridge? — 冷蔵庫に卵はありますか。
「肯定文は必ず some、質問は必ず any」という絶対的な規則ではありません。あると思って確認するときなどは、質問にも some が使えます。初めは上の組み合わせを基本にすると整理しやすくなります。
短い答え方
日本語では「はい、あります」と答えますが、英語では there を残し、質問の is / are に合わせるのが基本です。
| 英語のやり取り | 日本語 |
|---|---|
| Is there a car park? — Yes, there is. | 駐車場はありますか。— はい、あります。 |
| Is there a fee? — No, there isn't. | 料金はかかりますか。— いいえ、かかりません。 |
| Are there any lockers? — Yes, there are. | ロッカーはありますか。— はい、あります。 |
| Are there any tickets left? — No, there aren't. | チケットはまだありますか。— いいえ、もうありません。 |
肯定の短い答えの最後では、Yes, there's. とは言いません。Yes, there is. と省略せずに答えます。否定の No, there isn't. は問題ありません。
数や量を尋ねる
How many + 複数形 + are there ...? で「いくつありますか・何人いますか」と尋ねます。How much + 数えられない名詞 + is there ...? なら、量を尋ねられます。
- How many people are there in your team? — チームには何人いますか。
- How much time is there before the next train? — 次の電車まで、どのくらい時間がありますか。
people は「人々・複数の人」を表すので are、time はここでは時間の量なので is です。疑問詞が前に付いても、are there / is there の並びは同じです。
場面で覚える例文
「ある・いる」を毎回同じ日本語に直す必要はありません。状況に合わせて「入っている」「残っている」「予定されている」などと捉えると、意味がつかみやすくなります。
| 英語 | 日本語 | ポイント |
|---|---|---|
| There is a book on the table. | テーブルの上に本が一冊あります。 | 初めて本の存在を伝える。 |
| There are many people here. | ここには大勢の人がいます。 | 人にも同じ構文を使う。 |
| Is there a bathroom? | トイレはありますか。 | 施設の有無を尋ねる。 |
| There isn't any milk. | 牛乳がありません。 | 数えられないものの否定。 |
| There's a message for you. | あなた宛ての伝言があります。 | 会話でよく使う短い形。 |
| There are two sockets under the desk. | 机の下にコンセントが二つあります。 | 数と場所を伝える。 |
| Is there any rice left? | ご飯は残っていますか。 | 量が残っているか尋ねる。 |
| There aren't any trains after midnight. | 深夜十二時以降は電車がありません。 | 時間帯についての否定。 |
| Are there any vegetarian dishes on the menu? | メニューにベジタリアン向けの料理はありますか。 | 複数の選択肢の有無を尋ねる。 |
| There is a meeting at ten. | 十時に会議があります。 | 場所でなく予定を伝える。 |
| There is someone at the door. | ドアのところに誰か来ています。 | 誰か一人の存在を伝える。 |
| There is nothing in this box. | この箱には何も入っていません。 | 「何もない」を表す語を使う。 |
| How many bedrooms are there in the flat? | そのアパートには寝室がいくつありますか。 | 部屋の数を尋ねる。 |
| There is a small café near the station. It's open until eight. | 駅の近くに小さなカフェがあります。八時まで開いています。 | 紹介した後は、その店について続けて話す。 |
よくある間違い
1. 日本語の「いる」につられて形を変える
- 誤り: There are a cat in the garden.
- 正しくは: There is a cat in the garden. — 庭に猫が一匹います。
- 理由: 人や動物でも、一人・一匹なら is です。「ある」と「いる」の違いは、is / are の使い分けとは関係ありません。
2. 複数なのに is を使う
- 誤り(標準的な書き言葉では): There is three chairs in the kitchen.
- 正しくは: There are three chairs in the kitchen. — 台所には椅子が三脚あります。
- 理由: 数えるものが複数なので are にします。会話で聞く There's + 複数 については、後の節で扱います。
3. 一つのものの前で a / an を落とす
- 誤り: There is station near here.
- 正しくは: There is a station near here. — この近くに駅があります。
- 理由: 普通の数えられる名詞を一つのものとして初めて紹介するときは、a / an などが必要です。日本語に直接対応する語がなくても、省かないようにしましょう。
4. 数えられないものを複数として扱う
- 誤り: There are some informations on the noticeboard.
- 正しくは: There is some information on the noticeboard. — 掲示板に情報が載っています。
- 理由: この意味の information は数えられないため、informations にせず is を使います。内容が何件もあるかどうかとは別の問題です。
5. 質問に do を加える
- 誤り: Does there is a bank nearby?
- 正しくは: Is there a bank nearby? — 近くに銀行はありますか。
- 理由: is / are を使うこの構文では、それを前に出して質問します。do / does は必要ありません。
6. there を it に置き換える
- 誤り(「机の上にパソコンがあります」の意味で): It is a computer on the desk.
- 正しくは: There is a computer on the desk. — 机の上にパソコンがあります。
- 理由: It is a computer. は「あれはパソコンです」のように、すでに指しているものが何かを説明する文です。何が存在するかを新しく紹介するときは There is ... を使います。
使い分けと会話での注意点
there は、いつも「そこに」ではない
There is ... の最初の there は、場所を指す「そこに」とは違い、存在を伝える文を作る役割を持ちます。文法では形式上の主語(文の形を整えるため、主語の位置に置く語)として扱われます。
- There is a pharmacy here. — ここに薬局があります。
- There is a pharmacy there. — そこに薬局があります。
二つ目の例では、最初の There が構文を作り、最後の there が実際の場所を表しています。「そこに、そこに」と二回訳すわけではありません。here や具体的な場所と組み合わせられることからも、最初の there 自体は場所を指定しないと分かります。
発音でも、構文を作る最初の there は普通あまり強く読みません。場所を対比する「そこに」の there は、強く読むことがあります。
「何があるか」と「それがどこにあるか」
次の二文は、状況としては似ていても、伝えたい中心が違います。
| 英語 | 日本語 | 話の中心 |
|---|---|---|
| There is a key on the shelf. | 棚の上に鍵があります。 | そこに何があるかを紹介する。 |
| The key is on the shelf. | その鍵は棚の上にあります。 | すでに話題にしている鍵の場所を伝える。 |
the は、話し手と聞き手がどれを指すか分かるものに使う冠詞です。日本語の「が」と「は」の違いは、この対比をつかむ手がかりになります。ただし、「がなら必ず There is」「はなら絶対に使わない」と機械的に対応させることはできません。
鍵を探している相手に場所を教えるなら、The key is on the shelf. が自然です。一方、棚を見て、そこにあるものを報告するなら There is a key on the shelf. がよく合います。
There's は自然だが、どこでも使えるわけではない
There's は通常 There is の短縮形(複数の語を縮めた形)です。日常会話や親しい間柄の文章では、ごく普通に使います。改まった報告書などでは、There is と書くほうが無難です。
- There's a spare towel in the cupboard. — 戸棚に予備のタオルがあります。
複数のものにも There's two seats left.(席はあと二つ残っています)のように言う人がいます。これはくだけた会話でよく聞く形ですが、学習時の作文・試験・正式な文章では There are two seats left. を使いましょう。「耳にして理解できること」と「自分が標準形として使うこと」を分けておくと安心です。
There are も速い会話では続けて発音されますが、普通の文章では there're と書かず、there are と書くのが一般的です。
have との違い
日本語の「このホテルにはプールがあります」は、英語で二通りに言えます。
- There is a pool at this hotel. — このホテルにはプールがあります。
- This hotel has a pool. — このホテルにはプールが備わっています。
前者はプールの存在、後者はホテルの設備に注目しています。一方、「私は車を持っています」という所有なら I have a car. が基本です。日本語の「ある」をすべて There is に置き換えるのではなく、「何かが存在する」のか「誰かが持っている」のかを見分けましょう。
さらに知りたい人へ:基本からの広がり
ここからは、基本の is / are が身についてから読めば十分です。初めから全部使いこなす必要はありませんが、読んだり聞いたりするときの助けになります。
過去・未来・可能性を表す
存在を表す there の仕組みはそのままに、後ろの形を変えて、過去や未来について話せます。
| 表す内容 | 英語 | 日本語 |
|---|---|---|
| 過去・一つ | There was a mistake in the bill. | 請求書に間違いが一つありました。 |
| 過去・複数 | There were several delays yesterday. | 昨日は何度か遅延がありました。 |
| 未来 | There will be a short break at eleven. | 十一時に短い休憩があります。 |
| 複数の未来 | There will be two sessions tomorrow. | 明日は二回のセッションがあります。 |
| 可能性 | There may be a delay. | 遅れが出るかもしれません。 |
| これまでの状況 | There have been several complaints. | これまでに苦情が何件か寄せられています。 |
過去では was / were を使い分けます。will や may のような助動詞(動詞に未来・可能性などの意味を添える語)の後ろは、be の形になります。そのため未来では、一つでも複数でも There will be ... です。
最後の have been は現在完了(過去の出来事を現在とつなげて述べる形)です。この形では、一つのもの・数えられないものなら There has been ...、複数なら There have been ... になります。
人や物が「何かをしている」と伝える
存在を紹介し、その人や物がどうしているかを続けることもできます。
- There is a man waiting outside. — 外で男性が一人待っています。
- There are children playing in the park. — 公園で子どもたちが遊んでいます。
ここでは「人がいる」に waiting(待っている)、playing(遊んでいる)が説明を添えています。There is a man is waiting outside. のように、is をそのまま二つ並べないようにしましょう。
the や人名が続くこともある
基本では、まだ特定されていないものを a / an や数の表現と一緒に紹介します。ただし、「the や人名の前では絶対に使えない」という規則ではありません。
例えば、誰かに頼める人を相談しているとき、候補を思いついてこう言えます。
- There's Yuki. She could help us. — ユキがいるよ。手伝ってくれるかもしれない。
これは単にユキの居場所を言うのではなく、「ユキという候補がある」と話題に出す言い方です。選択肢を挙げる場合などには、すでに知っている人や物もこの形で紹介できます。初級ではまず「新しく存在を紹介する」という基本を使い、こうした例は文脈と一緒に覚えましょう。
複数のものを and で並べる場合
There is a table and two chairs in the room.(部屋にテーブルが一台と椅子が二脚あります)のように、最初の一つのものに合わせて is を使う言い方は、特に会話で見られます。並べたもの全体を複数と捉えて are を使うこともあり、単純な一語の例ほど判断が一様ではありません。
正式な文章で迷う場合は、並べ方や文を変えると明確になります。
- There are two chairs and a table in the room. — 部屋には椅子が二脚とテーブルが一台あります。
- There is a table in the room. There are also two chairs. — 部屋にはテーブルが一台あります。椅子も二脚あります。
このような列挙は、単に There is three chairs とする場合とは分けて考えましょう。
便利な決まった言い方
場所の存在から離れて、「理由や必要がある・ない」を述べる表現にも広がります。
- There is no need to rush. — 急ぐ必要はありません。
- There is no point in arguing. — 言い争っても意味がありません。
- There seems to be a problem. — 問題があるようです。
最初の二つは、no need to ... を「~する必要がない」、no point in ... を「~しても意味がない」というまとまりで覚えると便利です。三つ目は、問題があると断言せず、様子を見て判断を述べる言い方です。
練習のコツ
- 部屋の中を三種類に分けて説明する。 一つのもの、複数のもの、数えられないものを一つずつ選びます。例えば There is a desk.(机が一台あります)、There are two windows.(窓が二つあります)、There is some water in the glass.(グラスに水があります)。毎回「何を数えているか」まで確認しましょう。
- 一つの文を、肯定・否定・質問の三つに変える。 There is a lift.(エレベーターがあります)から、There isn't a lift.(ありません)、Is there a lift?(ありますか)へ変え、さらに Yes, there is.(はい、あります)まで声に出します。複数でも同じ練習をすると、is / are の選択と語順が結び付きます。
- 日本語の「が」と「は」を手がかりに、二文で話す。 「近くにカフェがあります。そのカフェは小さいです」を、There is a café nearby. The café is small. と言ってみましょう。最初に紹介し、次にそのものを説明する流れを作ると、存在の表現を何度も繰り返す癖を防げます。
関連する文法
- 先に確認したい項目: be動詞の現在形 — is / are の使い方と、否定文・疑問文の基本を確認できます。There is / There are でも、not の位置や質問の作り方はこの仕組みを使います。